――わたしたちは、魔法の森と生きている

STORY

窓を開けると、爽やかな朝の風が舞い込んだ。

ざわめく木々の音。
楽しげな小鳥たちの声。
どこからともなく漂う、花の香り。

わたしたちが暮らすこの「町」は、とても小さく、狭い。
町を一歩出たなら、そこには危険と不思議に満ちた「魔法の森」が広がっている。
まるで閉じ込められているような暮らしだけれど、人々の顔は明るい。その生活を支えてくれる「魔法使い」がいるからだ。

コンコン。扉を叩く音がする。
「おはようございます。すみません、前にいただいたお薬が切れてしまったのですが……」

おっと、隣の奥さんだ。鏡で、髪と、頭に咲いた小さな花を確認する。問題なし。

「はいはい、今行きます」

奥さんに出した薬草なら、魔法の森の……あの辺りにあったはず。
そうだ、今日はあの子と一緒に行こう。ついでにこなしたい依頼もある。

わたしは今日も、「魔法の森」へと出かけていく。
森と人の共存を支える存在――「森の魔法使いフローリア」として。

翠緑のフローリアとは?

舞台は、魔法による文明が芽生えはじめた、自然あふれる世界。
この世界の大地は、そのほとんどが「魔法の森」に覆われています。

森を構成するのは、一風変わった植物たち。

例えば、風もないのにうごめいて、邪魔者を追い払う巨木。
例えば、闇の中で眩い輝きを放ち、道行く者を照らす花。
例えば、雲を捕まえて、大雨を降らせる蔦。
例えば、鉄よりも頑丈な宝石の実をつける果樹。

それらはみんな、地下深くにある「魔力の泉」に根を張って、魔法の力を手に入れた植物――「魔法植物アーヴ」なのです。

人間は、そんな「魔法の森」の間に町を作り、森の恵みを利用しながら、ひっそりと暮らしています。

けれど、魔法の森は、簡単にその恵みを利用させてくれるわけではありません。
時に魔法植物たちは、魔法の力によって侵入者を拒み、町の脅威となります。

そんなとき、森を宥め、時には鎮め、時には対抗する力を持ち、その恵みを最大限に利用することができる存在。
それが、「森の魔法使いフローリア」と呼ばれる者たちです。

髪に花を咲かせた少女、角が枝葉になった鹿、歩く向日葵……。
魔法植物をその身に宿し、もしくは魔法植物そのものが意思を持ち、森と調和した彼らは、自由に魔法を使うことができます。
「森の魔法使い」によって、文明は支えられ、森と人とが共存することができるのです。

プレイヤーが演じるのは、「森の魔法使い」。
あなたは人々の頼みを聞きながら、森と魔法に囲まれた、平和で、お洒落で、けれどちょっと危険なスローライフを送るのです。

森と魔法が織りなすこの美しい世界で、さあ、不思議な物語をはじめましょう。

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